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《降谷夢》bonheur {R15}

第23章 年越


しばらくすると、片付けを終えた零くんがソファーに戻ってきて私の隣に座った。


『片付けてくれてありがとう。』
「用意してくれたんだから、これくらいやるさ。」


ほんとに律儀だよね。
まぁ、そこが零くんらしいんだけど。

2人の間に少しの沈黙が流れて
この間のことを謝罪しようと口を開いた。



『あの…』「この前は…」
話し出すタイミングが被ってしまい、2人で顔を見合わせた。

『「……ははっ。」』


なんだかおかしくなって2人で笑いあったことで
穏やかな空気に変わった。



「美緒…この前は酷いこと言ってごめんな。」

『ううん……私こそごめんね。』

「美緒は何も悪くないだろ。
クリスマスイヴも…
約束してたのに行くのが遅くなってごめん。」

『私は来てくれて嬉しかったよ?』

……起こして欲しかったけどね。



「情けない話だけど…
僕の知らない所で美緒と赤井が知り合ってたことにムカついたんだ。
しかも美緒のことを名前で呼んでいたからな。」

『え……?
それってまさか…嫉妬してた、ってこと…?』



あの零くんが、嫉妬…?




「なんだよ…僕が嫉妬したらおかしいのか?
恋人が自分の知らないところで
他の男と仲が良かったなんて聞いたら妬くに決まってるだろ…。」


…。


まさか嫉妬してくれてたんて思わなかった…



てっきり零くんが秀一くんこと嫌いだから
関わって欲しくないだけだと思ってたし…。




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