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《降谷夢》bonheur {R15}

第22章 聖夜


『送ってくれてありがと!
今度は秀一くんの時に会おうね。』

「ばか、そんな機会なかなか無いぞ。」

『あはは!そうだよね!
じゃあまた、そのうち会おうね?』



そう言って車を降りようとしたら、いきなり右側の腕を掴まれた。


『…?秀一くん?どうしたの?』

「…今日、美緒に会えて良かった。
ずっと会いたいと思っていたからな。」

『ごめんね、今まで忘れちゃってて…』


「いや…俺は今少し後悔しているんだ。」


……後悔?何に後悔してるの?


首を傾げていると、秀一くんはそのまま話し出した。


「安室君と付き合う前よりもっと早く美緒と再会して
口説いていればよかった、とな。」

『……っ!?はぁ!?な、な、何言ってるの!?』



秀一くんってこんな事言う人だったっけ!?
まさか冗談で言ってる!?


「俺は冗談でこんな事言わない。
昔は幼い少女だったのに、今は見違えるほど綺麗になった。
それに、かなり肝が座ってる俺好みの女だしな。」



………反応に困る。


だって私は零くんと付き合ってるわけだし
そんな事言われてもどうしようもない。



『秀一くん…私、本当に零くんの事が好きなの…
だからいくら口説かれても絶対揺らいだらしないよ?』


「…そうか。今のところつけ入る隙は無さそうだな。」

『これからもありません!』

「それはまだ分からないだろ?…これからが楽しみだ。」



秀一くんは掴んでいた私の腕を離し、
そのまま私の手を取って手の甲に口付けた。


『!!ちょ…っと!何すんの!!』



パッと手を引っ込めたけど
時すでに遅しと言うやつで…

彼の顔を見るとムカついてくるくらいニコニコしてる。



「ただの挨拶だろ。そんなに怒るな。」


怒るわ!!
ここは日本なんだし、こんな挨拶しないよ!


『もう2度とこんなことしないで!
じゃあね!おやすみ!』


私は秀一くんの返事を待たずに車を降りた。


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