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《降谷夢》bonheur {R15}

第22章 聖夜






やはり家族連れが多いだけあって、
1番多いトラブルは迷子だった。


…これで5人目だ。


泣きながら親を呼ぶ子供を保護して
慰めながら会場の受付場所に連れて行く。



『大丈夫だよ。パパとママにすぐ会えるからね?』

「……ぐすっ。…本当に?」

『もちろん!パパとママが来るまで、
お姉さんが一緒に待っててあげる。』

「…ありがとう、お姉ちゃん。」

『ふふっ。ちゃんとお礼が言えてえらいね!
そんないい子にはご褒美あげる。』



迷子になった子を慰める用に
さっき何個か買っておいたサンタの小さなキーホルダー。
小さい掌に置いてあげると、可愛い顔で喜んでくれた。



「サンタさんだ!可愛いっ!」

『今日はクリスマスだから、お姉さんからプレゼントだよ。』



その子は私に対して何回もお礼を言ってきて、
涙はすっかり引っ込んでいた。


その後すぐ、その子の両親が迎えにきてくれて
見えなくなるまでずっとこちらに手を振りながら去っていった。



そして持ち場に戻ろうと思って歩き出そうとしたら
眼鏡をかけた細目の男性に声をかけられた。



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