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《降谷夢》bonheur {R15}

第22章 聖夜


そうだよ!
あの時アメリカで会ったのが赤井さんだったんだ!

20年も前の事だし、
お互い子どもだったからすっかり忘れてたよ…。



一度思い出すと他のことも徐々に思い出してきて、

私が左手を使う練習していたのは、
赤井さんの影響だったんだ。








ーーーー20年前…





『ねぇねぇ秀一くん。
なんで秀一くんは左手でご飯食べるの?』

「左利きだからだ。」

『左利き……?
なんか、かっこいいね!私も真似するー!』



そう言う私を大人達は笑いながら見ていたが
秀一くんは、ずっと真顔だった。

「やめとけ。真似したからと言って
そんなすぐ左利きにはならないぞ。」

『えーっ!じゃあたくさん練習するっ!
秀一くんみたいにかっこよくなりたいもん!』

「はぁ……勝手にしろ…。」







ーーーーーーーーー…






その日以来、秀一くんに会うことはなかったけど
私はどうやら昔から頑固だったみたいで
必死に左手を使う練習をしていたから
両親を困らせていた記憶がある…。


『……っていうか!
思い出したら連絡くれって言ってたけど
連絡先知らないから!!』




…あ、零くんに聞けば分かるかな?


………いやいや。
秀一くんのことめっちゃ嫌ってるのに
連絡先教えてなんて、絶対言えない。
それに教えてくれるわけがない…。



連絡を取る方法はまた後日考えよう。




とりあえず昔のことを思い出したことだし
それ以上考えるのはやめて仕事に集中した。






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