第22章 聖夜
不審者や不審物がないか確認しながら見回っていると
いつものちびっ子探偵団のみんなと遭遇した。
『あ、みんなも来てたんだ!
寒いのに今日も元気だね。』
歩「あー!美緒お姉さんだ!」
光「こないだ帝丹高校で会った以来ですね!」
元「この前やってた空手!めっちゃかっこよかったぞ!」
『あはは。ありがと』
コ「美緒さんは仕事みたいだね?」
『うん、そうだよ。この会場の見回り警護。
たくさん人いるから、みんな気をつけて回ってね?』
歩・元・光「「「はーい!!!」」」
みんなは元気よく返事をしてくれて
やっぱり子供って可愛いなーって思ってると
コナン君が私のコートを引っ張って話しかけてきた。
コナン君の高さに合わせてしゃがむと
みんなに聞こえないように耳打ちしてきた。
コ「あのさ、あいつらには内緒で
美緒さんの連絡先、教えてくれないかな?」
『ああ、何かと思ったらそんな事か。
ちょっと待ってね?メモ用紙に書くから。』
私はポケットに入れていたメモを出して
ボールペンで電話番号とアドレスを書いた。
コ「あれ?美緒さんって左利きなの?
この前ご飯一緒に食べた時、右手でお箸持ってたよね?」
…この子、本当によく見てるな……。
『私ね、両利きなの。毎回無意識に利き手変わってるから
よく勘違いされちゃうんだよね。』
コ「へぇー!珍しいね!昔からずっとそうなの?」
『ううん。子供の時は右利きだったよ。
でも………、?』
あれ、なんで左手も使えるようになったんだっけ…?
確か昔に……
誰かの真似をしたくてすごく練習したような……
コ「…?美緒さん?どうかしたの?」
『っ!!ううん、何でもない。
昔のことだからちょっと思い出せないかな…。
ごめんね、コナン君。』
コナン君は首を傾げて不思議そうな顔をしていたけど
私自身、なんで両利きになれたか覚えていなかったから
何も言えなかった。