第22章 聖夜
翌朝ーー…
『うーん……あれ………寝ちゃってたんだ…』
零くんを待っていながら
いつの間にかソファーで爆睡してたみたい…
…ん?
ブランケットなんて掛けてたっけ…?
不思議に思いながらも
仕事に向かうための準備をしようと
目を擦りながら立ち上がり、キッチンに向かった。
昨日作った料理をそのままにしてたから
その片付けからしないと…
しかし手をつけていなかったはずの料理はほとんどなくなっていて、残っていた少しの量がお皿一つに纏められていた。
『え…え!?なんで!?
私寝ぼけて1人で食べちゃってたの!?
……いや、そんなわけないか。』
一旦落ち着こうと思って、
顔を洗ってから再びリビングに戻ると
零くんの為に用意しておいたクリスマスプレゼントも無くなっていることに気がついた。
『うそ……まさか……零くん来てたの!?』
覚醒した頭で考えるとすぐ答えは出た。
私の家の合鍵を持っているのは零くんしかいないわけで…
『来て…くれたんだ…』
そう呟いたら、ちょうどスマホの着信音が鳴り
画面をみたら零くんからの電話だった。
『もしもし?零くん昨日来てたの!?
ごめんね!私寝ちゃってて気づかなくて…。』
電話に出て慌てて話すと
電話の向こうで笑っている零くんの声が聞こえた。
「落ち着け、美緒。
悪いのは僕だから謝らなくていい…
約束してたのに行くのが遅くなって悪かった。」
久しぶりに零くんの声が聞けただけで
私はなんだか泣きそうになった。
「疲れてると思って起こさなかったんだ。
美緒……たくさんご馳走作ってくれてありがとう。
全部美味かったよ。」
『え…ほんとに?』
「ああ……それと、マフラーもありがとな。
大事に使わせてもらうよ。」
『よかった!気に入ってもらえるか不安だったの。』
「さっそく昨日から使わせてもらってる。
……今度、この前のお詫びも兼ねて埋め合わせしたい。
時間ができたら連絡するが…その時は会ってくれるか?」
少し不安そうな零くんの声…
そんな確認しなくても、わたしの答えは決まってるのに!