第22章 聖夜
美緒のそばにしゃがんで寝顔を見ていると
足元に何か転がっているのを見つけた。
手に取った包装された袋の外側にはMerry Xmasのシール。
「Dear 0 …。ゼロ……僕にか?」
中身を見ると、有名ブランドのマフラーだった。
まさかプレゼントまで用意していてくれてたなんてな…
「…ありがとう、大事に使わせてもらうからな。」
今度、時間を作ってしっかり埋め合わせをしよう。
僕はもう一度美緒の頬を撫でてから
彼女が作ってくれたご馳走を頂くことにした。
どれもとても美味しくて
空腹だった僕は2人分あった料理をほとんど平らげた。
その後、仕事に戻らなければならない時間になったので
最後に美緒の口にキスをして部屋を後にした。
外はまだ雪が降っていてかなり寒かったが
美緒のマフラーのおかげで
首元と、僕の心はとても暖かく感じた。
「この後の仕事もまだまだ頑張れそうだ。」
独り言を呟いて、車を警視庁に向かって走らせた。