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《降谷夢》bonheur {R15}

第22章 聖夜


side 降谷

今日はクリスマスイヴー…



美緒とデートした日から今日まで一度も会っていない。


仕事が忙しいのもあったが
正直、美緒に合わせる顔がなかったんだ。


冷たい言葉を投げかけて
終いには彼女を泣かせてしまって……
あの時の美緒の悲しそうな泣き顔が
頭から離れてくれない。


一度だけ美緒からおやすみメールが来ていたが
何で返したらいいのか分からなくて僕は返事をすることができなかった。




今日は遅くなっても会いに行くと約束したから
行くべきなのは分かっているけど…

拒絶されるかもしれないと思うと
僕は怖くて行くことを躊躇っていた。



風「降谷さん、最近ちゃんと休んでますか?
顔色が少し悪いようですが…。」


風見に声をかけられて、
確かに最近はまともにご飯も食べてないし
あまり睡眠もとっていないな…と自覚した。


「大丈夫だ。これが終わったら少し休む。」


風見は僕の言葉を聞いても
あまり納得していないような顔をしていた。


風「失礼を承知で申し上げますが……
今日は若山さんと何か約束していたんじゃありませんか?」


「…どうしてそう思った?」


風「降谷さん……休みを取られた翌日から
ずっと無理をして仕事をされていますよね?
若山さんと何かあったのだとすぐ分かりました。
それに……
今日は何回も時計を見て時間を気にしていらっしゃいます。」




…さすが、僕の部下は優秀だ。
ここまで正確に言い当てられるなんて
僕も人としてまだまだだな。


「ふっ…その通りだよ。
風見、悪いが今から2時間ほど席を外す。
何かあったら連絡してくれ。」


風「分かりました。
外は雪が降っているようなのでお気をつけて。」


風見に見送られコートを羽織って車に乗り
美緒のアパートへ向かった。


先日はすごく怒らせてしまったから
会いに行ったとしても追い返されるかもしれない…

それでもやはり顔を見て謝りたいと思った。



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