第22章 聖夜
『はぁ…』
梢「…美緒ちゃん、大丈夫?
さっきからため息すごいけど…」
…うわ、やばい。完全に無意識だった。
『す、すみません!仕事中なのに気が散りますよね…
気をつけます。』
梢「何かあったの?彼氏と喧嘩でもした?」
うっ、鋭いなぁ梢さん…。
『……実は…
ちょっと怒らせてしまったみたいで…。』
梢「悪いと思ってるなら逃げてないで
ちゃんと謝らないとだめだよ?
じゃないとますます言いにくくなっちゃうんだから!
それに…明日はクリスマスイヴでしょ?
彼氏と仲直りするチャンスじゃない。」
梢さんの言う事はまさに正論だった。
確かに…
怖いからっていつまでも向き合うの避けてたら
余計に拗れちゃうよね…。
『…そうですよね。
ありがとうございます、梢さん。』
「いいえ〜。じゃあ今日はもう上がっていいよ!
社長と葉山くんは出先から直帰するし。」
「分かりました、お先に失礼します。」
私は事務所を出てスーパーに向かった。
明日はクリスマスディナーを作る約束してたから
来てくれないかもしれないけど、一応用意だけはしておこう。
材料を買い込んだ私は、明日のディナーの仕込みを済ませた。
…これだけやっておけば明日はだいぶ楽だよね。
部屋の掃除も済ませて寝る前にスマホを確認してみるけど
今日も零くんからの連絡はなかったから
【おやすみ】とだけメールを送り、眠りについた。