第21章 復讐
「どうした?
何か言いたい事があるなら遠慮せず言ってくれ。」
風「…昨日若山さんが警視庁にいた所を
多くの人に目撃されたようでして…
少し騒ぎになっていたので彼女は警察を辞めた今でも
男性陣から人気なんだな、と思いまして…。」
…美緒のやつ……
変装用の帽子被ってなかったのか。
「あいつ……はぁー…」
風「降谷さんも大変ですね……。」
風見の言う通りだ。彼女がモテすぎるっていうのは
やはりいい気がしないな…
「出来るだけ美緒には
ここに来させないようにするしかないな。」
風「……。
(若山さん…
どうやって降谷さんをここまで骨抜きにしたんですか…)」
僕は風見の返事を聞かずに、美緒にメールを送った。
【家に帰ったらお仕置きだ】
たぶん今頃、お仕置きの理由が分からずに
パニクっている美緒を想像するだけでニヤケそうになった。
「風見。
明日までに終わらせないといけない仕事を全部持ってきてくれ。
明日は一日休みを取りたいから、今日中に終わらせる。」
風「は、はい!分かりました!」
結構な仕事の量だったが
美緒とデート出来ることを考えればこれくらいは朝飯前だ。
休憩を取らずに黙々と仕事をし続けていた甲斐もあり
夜8時には全ての仕事を終わらせることができた。
「じゃあ、僕は先に帰る。後は頼んだぞ。」
残っている部下達に声をかけると
お疲れ様です!と返ってきたので、僕は部屋を出て駐車場に向かった。
「…なんか降谷さん、めっちゃ機嫌良かったな…。」
「だよな。てか仕事終わらせるの早すぎ…。」
「明日休みって言ってたけど、なんかあるのか?」
部下達がこんな話をしていたが
僕の耳には届かなかったーーーー……