第21章 復讐
side 降谷
美緒を朝方まで抱き続けていたら
2人ともいつの間にか眠っていた。
手首のスマートウォッチのアラームで
僕は朝7時に目を覚ましたが、
隣で眠っている美緒はまだ起きそうにない。
「昨日は激しくしすぎたからな…」
美緒の髪を撫でていると、彼女の胸元に
自分がつけたであろうキスマークがたくさん残っているのが視界に入った。
自分の独占欲の強さに呆れつつ
ベットをそっと抜け出しシャワーを借りて
キッチンで朝ごはんを作っておいた。
身支度を済ませて家を出る前に寝室を覗いたが
美緒はまだ眠っていた。
「いってきます。」
全く起きる気配のない彼女の頬にキスをしてから
僕は仕事に向かった。
警視庁に着き、公安しか出入りができない棟にある一室で
昨日逮捕した拳銃密輸組織の後処理から取り掛かった。
美緒のおかげで
組織の一味をいち早く逮捕する事ができ
僕の上司もかなり機嫌が良かったと聞いた。
風「降谷さん、おはようございます。」
「おはよう。
風見、昨日は任せてしまってすまなかったな。」
風「いえ!お気になさらず…!
若山さんの怪我は大丈夫でしたか?」
「5針縫ったがすぐ治るだろう。
今日は家から出ないようにキツく言ってきた。」
風「…あの……若山さんとは…その…
お付き合いをされているんですか?」
そういえば……
美緒が取り調べした後、風見の前で彼女にキスしたな。
さすがに誤魔化すのは無理があるか…
「ああ。協力者と恋人になるなんて非難されそうだから
黙っていてくれると助かる。」
風「それは勿論!誰にも言いませんが…」
風見は言いにくそうに言葉を濁らせていたので
何か言いたいことがあるんだろうなとすぐに分かった。