第21章 復讐
「美緒が隠すからだろ。」
『そんなに見られたら普通隠したくなるよ!』
「慣れろ。」
『無理!!』
下から睨みつけるようにジッと見つめると
降谷くんは私の肌をやらしい手つきでなぞって来た。
『…っ、降谷く…ん…!ぁっ…やっ…』
「零、だろ?」
『っ…え…?』
「電話で呼んだだろ?零って…
これから2人の時は名前で呼んで欲しい。」
……そういえば言ったな。
梢さんから、恋人に何かお願いする時
下の名前で呼ぶと大抵聞いてくれるって教えてくれたから試してみたんだけど…。
改めて呼べって言われると恥ずかしいな…
『…えっと……零、くん?』
「……っ。
はぁ……やっぱりやばいな。」
……何がやばいんだろう。
疑問に思っていると
降谷くんは手の拘束を離して私を抱きしめてきた。
『ど、どうしたの?』
「電話で呼ばれた時もニヤけそうになるのを必死で我慢したんだ。今もそう…嬉しくて死にそうだ。」
『じゃあ今日は慣れるまで何回も呼ぶね!零くん?』
「……。今日は寝かせてやらないから覚悟しろよ。」
『!?ちょ、ちょっと!私一応怪我人だよ!?』
「大した怪我じゃないんだろ?
僕が満足するまで付き合ってもらうからな。」
『っ!?』
言い返そうとしたが零くんのキスによって口を塞がれてしまったので、それは叶わなかった。
有言実行とはまさにこのことで
私は朝方になるまで零くんに離してもらえなかった。