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《降谷夢》bonheur {R15}

第20章 密輸


警視庁の入り口まで戻ってきたところで息を整えていると
後ろから声をかけられた。


佐「あれ……、美緒先輩?
なんでここにいるんですか?」

後ろを振り向くとそこには美和子ちゃんがいて…

バレないように被ってきた帽子は、
取り調べした時に外して
そのまま置いてきちゃったことを思い出した。


『美和子ちゃん!ちょうど良かった!
車!車貸して!』

佐「え?え?なにか、あったんですか?」

『緊急事態なの!早く!キー貸して!』

佐「は、はい!」


私の気迫に押され、美和子ちゃんはキーを渡してくれた。
お礼を言いすぐに受け取って
美和子ちゃんの赤い車の所に向かって走った。


急いで車に乗り込んでエンジンをかけ、
私は○△町に向かった。

確か7丁目の廃工場って行っていたから
車を飛ばしていけば松本さんより早く到着できるかもしれない。

アクセルを強く踏んでスピードを上げ、
車を追い抜きまくった。



そんな時…降谷くんから着信があり
耳にワイヤレスイヤホンをつけて、電話にでた。



『 はい…』
「……美緒、今どこにいる?」


恐らく松本さんがいなくなってしまったことを
女性捜査官から聞いたんだろう…


『ごめん…松本さんが警視庁でいなくなったの。
たぶん組織のアジトに向かってると思ったから
私もそこに向かってる。』

「彼女のことは僕達に任せてお前は引き返せ!
危険な組織だって言っただろう?」

『だから行くんじゃない…
松本さんは私の警護対象者。
命に変えても守らなければならない義務があるの。』



それに……彼女に復讐なんてして欲しくないんだ。


もし誰かを殺してしまったら、
松本さんも山根を殺した人と同類になってしまうから…


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