第20章 密輸
「美緒の気持ちは分かるが、
僕には君の命を守らなければならない義務があるんだよ。」
『…。』
「すでに現場には捜査官が到着してる。
もうすぐ組織の一味を一斉に取り押さえにかかるから
美緒は少し離れた所から松本さんを探すんだ…
いいな?」
『分かってる…邪魔しないようにするよ。
ごめんね?我儘ばっかりで…』
「そう思うならもう少し反省してくれ。
…美緒……気をつけろよ。」
『うん。見つかったら連絡する。』
降谷くんとの電話を切り、車の運転に集中し直した。
どうか…間に合いますように……。