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《降谷夢》bonheur {R15}

第20章 密輸


松本さんのいる会議室に向かって歩いている途中、

他の捜査員も組織のアジトに向かうのか
廊下をバタバタと走っている人をたくさん見かけた。


これで組織のリーダーも捕まれば
松本さんを狙う輩もいなくなるから安心だ。

会議室に着き扉を開くと
なぜかそこには誰もいなかった。


『え!?松本さん!?どこ行ったの!?』


部屋を出て探しに行こうと廊下に出たら
松本さんと一緒に待っていた女性捜査官がいたので
私は彼女に駆け寄った。


『ちょっと!松本さんはどこ!?
一緒にいたはずですよね!?』

「そ、それが…トイレに行きたいと言われて
ちょっと目を離したスキにいなくなってしまって…」

『!?』


まさか……

私の背中に嫌な汗が伝った感じがした。


きっと…いや絶対
松本さんは組織のアジトに向かったんだと思う。

大勢の捜査員がバタバタしてるから
アジトの場所を話しているのを盗み聞くことはできただろう。



止めなければやばい…!


恋人だった人を殺された松本さんは
きっと復讐するつもりだ。

私は警視庁の出口に向かって走り出した。

しかし途中で松本さんを見つけることはできず
恐らくもう警視庁を出た後だと悟った。


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