第20章 密輸
『取り調べ得意だったんじゃないの?』
「僕の顔を見せる訳にはいかないだろ。」
あー…そっか、ゼロだもんね…。
そこで私は一つ、
思いついたことがあるので提案してみる事にした。
『ねぇ、私がやろうか?男達の取り調べ。』
風・降「「……は?」」
私の提案が意外だったのか
2人のキョトンとした声が被っていた。
『早く解決したいでしょ?
だったら私にやらせてみてくれないかな?」
「美緒は彼女の警護があるだろ。」
『だから、松本さんも一緒に連れてくの。だめ?』
「だめに決まってる。」
決まってるのか…
仕方ない、この手を使ってみよう。
私はスマホを持ったまま
会話を聞かれないように別の部屋に入った。
「…美緒?聞いてるのか?」
『どうしても…だめなの…?』
少し甘えた声色を出してみた。
「〜〜っ!!だめだ…!」
『私が頑固なの知ってるでしょ?
お願い……ね、零くん……?』
「!?!?
はぁ……分かった、僕の負けだ。」
『!!ありがとう!じゃあ風見さんに変わるね!』
ちょっと恥ずかしかったけど上手くいってよかった!
私はすぐに部屋を出てスマホを風見さんに返した。
風見さんは降谷くんと電話で話し始めて
すごく驚いた表情をしてこっちを見ていた。
降谷くんが私に取り調べを任せてくれたことが意外だったんだろう。