第20章 密輸
『あの…松本さんはなぜ
うちの警護会社に依頼してきたんですか?』
「大吾が…
そちらの会社のホームページを見ていたのを思い出して…」
『そうですか…きっと山根さんは
私達がちゃんとクライアントを警護できるか
試しに依頼してきたんですね。』
だから次の日以降の依頼はキャンセルしたんだろう。
ホームページを見せたのは、松本さんに危険が迫った時
うちの会社を思い出すようにしたかったからなのかもしれない。
そして松本さんと別れたのも
彼女を危険なことに巻き込みたくなかったからだろう。
「一体大吾は……誰に殺されたんですか…?
どうして…殺されなきゃいけなかったんですか…?」
風「それは……我々にも分かりません。
しかし、犯人を捕まえる為に現在捜査中です。」
きっと降谷くんも組織のことを調べているはず…
今の私に出来ることは松本さんを守ることだけだ。
ていうかそもそも山根はすでに殺されたのに
なぜ別れた彼女の松本さんを組織は狙うんだろう?
彼女の様子を見ていれば
組織のことなんて何も知らないことくらい分かるはずなのに…。
やっぱり彼女の知らないところで
何か組織の秘密を握っているのかな…
頭を悩ませていると
松本さんは「あっ!!」と思い出したように声を上げた。