第20章 密輸
リビングにいる松本さんに
警察の方がみえましたよ、と一声かけて
風見さんをリビングに通した。
風「ここは…一体誰の部屋なんですか?」
『私が勤めている会社名義で借りている部屋です。
必要に応じてクライアントの身を隠す時などに使用しています。
生活するのに必要なものは、大体常に揃ってますよ。』
風「そうでしたか…」
『それで…襲ってきた男2人はどうなりました?』
風「先程、別の捜査員から男達を確保したと連絡がありました。
…ずっと気絶していたようです……。」
……思い切り殴っちゃったからなぁ。
でも捕まったなら良かった。
『その男達から
組織のアジトを聞き出せればいいですけどね。』
風「目を覚ましたらすぐ取り調べをします。
では…松本 静香さん。
あなたにも色々とお聞きしたいことがあります。
よろしいですか?」
「はい。大丈夫です。」
松本さんはかなり落ち着いてくれたようで
風見さんの質問にも正確に答えていた。
風「山根 大吾から伝言のようなことを聞いたり
何か物を預かったりはしていませんか?」
「うーん……
1週間前に彼から突然別れてくれって言われたので
私、それがすごくショックで落ち込んでたから…
あんまり覚えてないんです。」
1週間前……山根を警護した日だ。