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《降谷夢》bonheur {R15}

第19章 憧憬



「美緒の蹴り…昔より威力上がってやがる。」

萩「あはは!確かに!
ポアロのお兄さん?
美緒ちゃんのこと怒らせて蹴られないように気をつけてね?」
降「…分かってる……。」

あんな蹴りまともに喰らったら
肋骨が何本かいっちまうだろうな…。


美緒は倒れた相手のところに駆け寄り、
手を伸ばして立たせていて
その様子を見ていたら
隣にいたゼロか立ち上がった。


降「じゃあ僕はそろそろ帰るよ。
ちょっと仕事が残っているんだ。」

萩「おー。またポアロ行った時はよろしくな?」
降「ああ。」

「…ちょっと待てよ。
お前、萩原から俺の伝言聞いたか?」


降「…ふっ、聞いてるよ……
泣かせもしないし、手放す気もないから
早く諦めてくれると助かる。…じゃあな。」


ゼロは俺の顔を見て自信満々にそう言うと
武道館から出て行った。

「ちっ。ちょっとは焦った顔しろよなー。」

萩「あいつの特技はポーカーフェイスだから無理だろ。」

まぁ、そうだろうな。




試合が一通り終わったところで
ずっと見学して部活の邪魔しても悪いから
美緒に簡単な挨拶だけをして
俺たちはボウズ達と一緒に帰ることにした。



ボウズ達とは高校の前で別れ、
車内で2人になったところで萩原は口を開いた。


萩「陣平ちゃん…やっぱりまだ美緒ちゃんのこと
吹っ切れてない感じだな?」

「…そんな簡単には吹っ切れねぇよ。」

何年あいつのことを見てたと思ってんだ。

「でも…
ゼロといる時のあいつの幸せそうな顔みてたら
割と早く諦めつきそうだなって思ったよ。」


萩「そっか…。」


萩はそれ以上何も言わなかった。

俺たちはそのまま適当に車を転がしてドライブをして
明日もお互い仕事だから、夜遅くなる前に解散した。



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