第19章 憧憬
俺たちが武道館まで戻ると、すでに練習は再開していて
大人しくしているなら中で見学してもいいと
許可を貰ったらしく、全員で中に入る事になった。
降「今から試合形式で組み手が始まるところだよ。」
ゼロの隣に座るとそのように伝えられ、
どうやら美緒も学生相手と勝負するようだ。
身につけているヘッドガードの色は青。
あいつの試合なんて見るの初めてだし、楽しみだな。
互いに一礼したところで、試合が始まった。
………ーーーーー。
「……一本!そこまで!勝者、青!」
さっきからずっと一本勝ちをしてる美緒。
これで7人抜きだ…。
歩「美緒お姉さん強ーーーい!」
光「男性相手に一本勝ちですよ!?」
元「すっげぇーー!!」
コ「…蹴りの威力強すぎだろ…。」
ボウズ達は美緒のあまりの強さに驚いているようだった。
萩「美緒ちゃん昔と変わらず強いね〜。」
降「今でも時々トレーニングしてるって言ってたからな。」
「美緒のやつ相変わらず自分にストイックだな…。」
俺達が会話をしている最中
試合はどんどん相手を変えて進んでいき、
すでに今は15人目との対戦が終わったところだ。
「技有り!2本目!!勝者、青!」
……あいつ15人相手にしてるのに
全く息乱してねーな…。
ってことは、ある程度手加減してるってことだけど
手加減してほとんど一本勝ちはあり得ねぇだろ……。