第19章 憧憬
子供達を見送って
わたしと降谷くんは中庭にやってきた。
花壇の近くにあるベンチに並んで座り
さっそくハムサンドを頂く。
「美緒、寒くないか?」
『大丈夫。もう12月なのに今日はあったかいからね。」
もうすぐ一年終わっちゃうなーって考えていたら
さっきコナン君が私を心配そうな目で見ていたことを思い出した。
『ねぇ、コナン君と何かあったの?
さっきすごい私達の方見てたけど……』
「あー…。
潜入している危険な組織の一員であることが
あの子にバレたんだ。
だから僕と付き合ってる美緒のことを心配しているんだと思うよ。」
なるほど……。
だから前に降谷君のこと聞いて来たのか。
っていうかそんな危険な組織の存在を知ってるコナン君って
本当に小学生…?不思議すぎる…。
「自分から公安警察だと名乗るつもりはないから
美緒もそのことは黙っていてくれないか?」
『あ…うん。分かった。
探られても知らないフリしとくよ。』
「ああ、助かる。
そういえばもうすぐクリスマスだけど…」
……クリスマス?
あ。そっか。
もうすぐ1年終わるなーとは思ったけど
クリスマスの存在自体忘れてた。
いつも仕事だったから、全然気にしていなかったし。
『私、今まで全然クリスマスとか気にしてなかったから
無理しなくて大丈夫だよ?
降谷くん、年末で忙しい時期じゃん。』
わたしも警察官だったから
年末がとても忙しいのは分かってるつもりだ。
だからたとえクリスマスに会えなくても気にしない。