第19章 憧憬
side 降谷
朝に美緒と別れてから
僕は急ぎの仕事だけ早めに終わらせた。
そのままスーパーに買い物に行き材料を購入して
2人分の昼食であるハムサンドを自宅で作り
容器に入れて帝丹高校に向かった。
美緒が僕の作ったハムサンドを美味しそうに食べている顔を想像しただけで、早く美緒に会いたくなった。
普段の僕なら
仕事の合間に絶対こんなことはしないだろう。
でも美緒に対しては多少の無理をしてでも会いたくなる。
「どんどん美緒にハマっていくな…」
僕は独り言を呟き、
気がつくといつも彼女のことばかり考えてしまう自分に呆れながら
学校に向かうスピードを早めた。
思ったよりも早く帝丹高校に到着して武道館の方へ向かい、入り口付近に到着するとよく見たことがある人物達が見学しているのを目撃した。
「コナン君達はいいとして…
何で松田と萩原がここにいるんだ…。」
僕は気づかれないように背後から近付き
2人の服の後ろ襟を掴んで引っ張った。
萩・松「「…っぐぇっ!!」」
「お前ら…ここで何してるんだよ…」
松「いきなり何すんだよ!
びっくりするだろうが!!」
萩「誰かと思ったら…ポアロの安室さんじゃん。
何〜?ひょっとして美緒ちゃん見に来たの?」
「…美緒に昼ごはん持ってくる約束してたんだよ。
で?お前らは?」
松「俺たちは非番だったから見学に来ただけだ。」
萩「美緒ちゃんの道着姿、相変わらず萌えるよ?」
…萩のやつ!!
人の彼女を見て萌えるとか言うな!!
「…。」
萩「…わ、悪かったって!そんな睨むなよ!!」
僕達が話していると
いつもの子供達も僕が来ていることに気がつき近づいて来た。