第19章 憧憬
翌朝ーーー
ベットの近くで物音がしたので
わたしは目を覚ました。
『…降谷くん?もう起きてたんだ。』
時刻はまだ6時前。
降谷くんはすでにスーツに着替えていて
今日は公安の仕事があるんだなって分かった。
「悪い、起こしたな。
もうそろそろ仕事に行かなきゃいけないんだ。
また後で昼ご飯持って行く。」
『……ん。忙しいのにごめんね?』
「僕が美緒に会いたいからいいんだよ。
じゃあ、また後でな。」
そのまま私の口に一度キスをして
降谷くんは私の部屋を出ていった。
…朝から甘々な降谷くんに照れくささを感じつつ
わたしはしばらく幸せな余韻に浸っていた。
少ししてから、私はベットから出て
出かける準備をした。
前回もそうだったが
降谷くんはまた私の朝ごはんを用意してくれていた。
今日はおにぎりとお吸い物、卵焼きを作ってくれて
やっぱりどれも美味しかった。
『私より女子力高い気がする……』
何だかすごく尽くされてて嬉しいんだけど…
少し申し訳ない気がするから
今度は私が降谷くんにご飯作ってあげようと決め
朝ごはんをすべて平らげて
身支度を整えてから、車で帝丹高校に向かった。