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《降谷夢》bonheur {R15}

第19章 憧憬


蘭ちゃんは少し離れたところで電話をとっていて、


何を話しているかは聞こえなかったが
電話の相手のことを、先輩と呼んでいたので
恐らく学校の先輩と話しているんだと分かった。




そして電話を終えた蘭ちゃんは私達のところに戻ってきた。
園「先輩からの電話?…なんかあったの?」

蘭「う…ん…。明日ね、
部活のコーチに来てくれるはずだった人がいたんだけど
なんか家族に不幸があったらしくて
来れなくなっちゃったの…。
先輩が代わりのコーチ探してみるけど、
見つからなかったら部活休みになっちゃうって。」

降「顧問の先生は?いないんですか?」

蘭「先生はインフルエンザで昨日から休んでます…」


あーあ…。

高校の空手部は確か、大人がいないと
自分達だけで練習しちゃいけない決まりだったもんね。
私の高校はそうだったから、今もそうなんだろうな。



園「ねぇ!
じゃあ美緒さんにコーチお願いしてみたら!?」

『……………はい?』

いきなり何を言い出すんだ園子ちゃん!!


園「だって美緒さんなら
大人だし、空手経験者だし、オリンピック選考会にも出てたし!
コーチも出来るんじゃない?」


いやいや!誰かにコーチなんかした事ないし!


蘭「そりゃあ私も…
美緒さんに教えてもらえるなら頼みたいけど…
きっとお仕事でしょうし…」


『いや…明日は仕事休みなんだけどね……』


園「えーっ!!
ならちょうどいいじゃないですか!!
蘭!美緒さんにコーチ頼みなよ〜!」


蘭「でも…せっかくお仕事休みの日なのに
コーチなんてお願いするのはさすがに悪いよ…。」


……。


蘭ちゃん……めっちゃいい子じゃん!
今時の女子高生は、こんなに気遣いできるのか!!






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