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《降谷夢》bonheur {R15}

第19章 憧憬


梓「蘭ちゃん、園子ちゃん。
いらっしゃい。今日は学校終わるの早いんだね?」

蘭「今日は午後から学校の電気工事があるらしくて
午前中だけだったんです。」

園「お昼は食べたんですけど
せっかく早く学校終わったし
ここでお茶しながら宿題やろうと思って!」


女子高生かー。
若いな〜。
わたしにもそんな時期があったなー…。

会話の内容が聞こえてきて物思いに耽っていると、

ロングヘアの方の女の子が
私に視線を向けて近づいてきた。


蘭「あのー…。間違ってたらすみません。
もしかして、若山 美緒さんじゃないですか?」

『はい…。そうですけど…。』


あれ、なんで私のこと知ってるんだ?
どこかで会ったことあったっけ?
頭の中で思い出してみるけどやはり記憶にはなかった。



蘭「やっぱり!!
以前空手のオリンピック選考会に出てましたよね?
私、一度テレビで見た時から大ファンで!
まさかこんなところで会えるなんて感激です!!」


あー…そういえばそんなこともあったな…。

テレビに出たのは一回だけだし、
まだ警視庁にいた頃だから、最早懐かしい。

『ありがとう。
まさかファンの子がいるなんて思わなかったよ。
結構昔のことだし。』

園「ひょっとして蘭が憧れてた女性って
こちらの美人さんだったの?」

蘭「そうなの!
あの…握手してもらえませんか!?」

なんかすごく有名人扱いされるなぁ。
こういうの慣れてないから少し照れる…。


『まぁ…握手くらいなら全然いいよ。』

その女の子の手を握ると、
彼女はとても嬉しそうに笑っていた。

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