第18章 説得
シャワーを終えて髪を乾かしてから
とりあえずルームウェアに袖を通した。
今日も仕事だから、
あとでまたスーツに着替えよう。
洗面所にいると、なんだかいい匂いがしてきてキッチンに向かうと
降谷くんが朝ごはんを用意していてくれた。
『朝ごはん作ってくれたの?
ゆっくりしててよかったのに…』
「美緒は今日も朝から仕事だろ?
朝ごはんはちゃんと食べた方がいい。
仕事中にバテるぞ。」
『……うん。ありがとう、降谷くん。
じゃあ、頂こうかな!すごく美味しそう!』
ダイニングテーブルに座り、
2人で一緒に朝ごはんを食べた。
家には大したものなかったはずなのに
なかなか豪華な朝ごはんだったことに驚いた。
一緒に朝を迎えて、
一緒に朝ごはん食べて…
幸せすぎて怖いな…。
っていうか、
いきなりこんなに幸せでいいの?
私がそう考えていると、降谷くんが口を開いた。
「なんか…いいな、こういうの。」
『?なにが?』
「美緒と一緒に朝を迎えて、
一緒に朝ごはん食べてる…
それだけで幸せだなって思うよ。」
『……私も今、同じこと考えてた…』
なんだか可笑しくなってきて、2人で顔を見合わせて笑った。
これからもこんな風に
降谷くんと色んな時間を過ごせるといいな…。