第18章 説得
『協力者になる話…引き受けようと思う。』
「本当に…いいのか?」
『うん。警察組織のために働くなんて
2度と嫌だって思ってたんだけど…
私は私の守りたいものの為に
やりたいことをやればいいだけだって考え直したの。』
「そうか…」
『だから私で役に立てるようなことがあるなら
なんでも言ってね!降谷くんの力になりたいの。』
「……僕の手助けができるって風見に言われて
協力者になる件、考え直してくれたんだろ?」
『……風見さん、お喋りだな。』
今度会った時にちょっとシメるか。
「嬉しかったよ。
美緒が僕のことを考えてくれて。」
『降谷くんの名前出されたら、
考えちゃうに決まってるじゃん……。』
わたしは自分で言ったことが恥ずかしくなって
降谷くんの方を見ずに俯いた。
自分の膝に置いた手を見ていると、
降谷くんがわたしの手に自分の手を重ねて握って来た。
『っ…』
「美緒…公安の協力者になる以上、
危険な目に合う可能性もある。
でも……美緒のことは僕が必ず守る。
君が力を貸してくれれば、きっと大勢の命を救うことができる。
だから頼む…僕に力を貸してくれ……。」
降谷くんはわたしの手を握ったまま
とても真剣な顔付きで話していた。
これがゼロの時の降谷くんなんだ…と
ドキドキする胸を押さえながら私は口を開いた。
『降谷くんの力になれるなら協力者でもなんでもするよ!
だって降谷くんは、わたしの命の恩人だから…
やっとあの時の恩を返せるよ。』
「…いつの話してるんだよ……。
ありがとな、美緒。」