第18章 説得
ポットに沸いたお湯を注いでから
私はキッチンからリビングに向かい
紅茶セットは降谷くんが運んでくれた。
そしてお互いソファーに腰掛けると
降谷くんが口を開いた。
「美緒…少し痩せたな。仕事そんなに忙しいのか?」
『まぁ、そうだね……結構バタバタしてたから
家には寝るためだけに帰って来てる感じだったかな。』
「そうか…
明日も仕事なのに会いに来たりして悪かった。」
『ううん。私も大事な話あったから
話す機会ができてよかったよ……
私を協力者にする件、降谷くんも知ってるんだよね?』
「ああ。今日上司から聞いた。
お前を説得してくれって頼まれたよ。」
私の中ではもう引き受けることに決めてるから
説得する必要はないんだけど…
そう言おうとしたら、
降谷くんが先に話し出した。
「どうやって説得しようか考えたんだが……
美緒は結構頑固だし、
一度決めたら絶対曲げないからな。
考えるだけ無駄だと思ったからやめた。」
『…。』
悪かったね!!どうせ私は頑固だよ!!
「風見から聞いたんだけど…
お前の上司に相談してくれたんだろ?」
『うん。諸伏くんにも話したんだけどね、
こっちのことは気にしなくていいから
私の好きなようにやれって…会社のみんなが言ってくれたの。』
「…いい人達だな。」
ほんと、いい人達過ぎて困っちゃうよ。