第18章 説得
『大丈夫だよ。気にしてないから!
ごめんね、気を使わせちゃって…。』
諸伏くんは何も悪くないのになんだか申し訳なくなった。
「美緒ちゃんの様子からして
昨日の返事はもう決まってるみたいだね。」
『うん…。
協力者になる話、引き受けるよ。』
「…!!本当に……?」
『励ましてくれた人たちがいてね…
私のやりたい事をやれって。
…前田さんも、きっとそう言うだろうなーって思ったの。』
「そっか…。
ありがとう、美緒ちゃん。」
『それでね……あの人には私から直接話すから
黙っててもらえないかな?』
「うん……わかった。」
一通り話が終わったところで
注文した料理が運ばれて来た。
私たちは食事をしながら
会えなかった間の会話をして楽しんだ。
そして明日も仕事があるので、
食べ終わってから早めに店を出た。
お店を出たところで、
わたしは小さな段差があることに気付かず
少し躓いてしまった。
「っ!おっと……。大丈夫?美緒ちゃん。」
諸伏くんがを抱き止めてくれたおかげで
転倒することはなかった。
『あはは、ごめんね?
段差あったの全然気づかなかった。』
諸伏くんとくっついたままでいたら
どこからかすごい殺気を感じた。
『っ!?…なんか………すごい殺気が……』
「あー…たぶんその正体は…」
諸伏くんと話している途中で
急に体が思い切り引っ張られた。
『っわ!?何……だれ……、っ!?』
私を引っ張った人物を見てみると、
そこには怖い顔した降谷くんが立っていた。