第18章 説得
梢「…美緒ちゃんはどうしたいの?」
『…公安の協力者というからには、
危険なことに巻き込まれる可能性もあります。
皆さんに迷惑がかかることがあるかもしれないんです。
なので誰か1人でも反対の人がいれば私は断ります。』
葉「本当にそれでいいのか?」
『…。』
葉「本当は協力者になって
誰かの役に立ちたいんじゃねーのか?
お前嘘つく時、少し目線逸らす癖あるからな。」
『っ、え!?嘘でしょ!?」
葉「同僚なめんなよ?
ずっと一緒に働いて来たんだから分かるって。」
『……。』
そうだった。
葉山は萩原くん並みに観察眼が鋭いんだった…… 。
梢「美緒ちゃん。
あなたが警察組織に嫌気がさして、警察官を辞めたのは知ってる。
それでもまた警察に関わろうとするってことは
なにか理由があるのよね?」
……梢さんは鋭い勘の持ち主だったな。
私に好きな人ができた時もすぐ見抜いたし…。
東「若山。
俺たちの事は気にしなくていいから
協力者でもなんでも、お前がやりたいことをやれ。
…ここを辞められるのは困るけどな?」
『…っ……』
そうだ…東社長は昔から
私の意思をいつも汲んでくれる人だった。
だから私はここの職場が好きになったんだ。
社長みたいな器の大きい人がそばにいてくれるから…
梢さんや葉山みたいな頼れる人がいるから…。
『公安警察には私の大切な人がいるんです…。
その人を守れるように力を貸してあげたい…
皆さん、迷惑をかけるかもしれませんが
私のわがままを許して下さい。」
そう言ってわたしはみんなに頭を下げた。