第17章 尾行
翌日、僕は本庁に足を運び、
上司の部屋に向かうところで風見と合流した。
風「おはようございます、降谷さん。」
「ああ…。その顔の絆創膏、どうしたんだ?」
風「…いえ、なんでもありません。」
明らかに何かあったようだったが
大した怪我ではなさそうだったので
今は上司の所へ向かうのを優先した。
コンコン
「降谷です。失礼します。」
風見と共に部屋に入ると
上司は机に座りながらも、忙しそうに書類をチェックしていた。
「悪いな、忙しいのに呼び出して。」
「いえ、大丈夫です。
それより、話があると伺ったのですが」
「ああ……
新たな協力者を増やそうとしている件は知っているな?」
「はい。現在は身辺調査中だと部下から聞きました。」
…やはりその話だったか。
僕がそう答えると、
調査対象の写真付書類を上司が渡してきた。
「っ…!」
…その書類には警察時代の美緒の顔写真が貼られていた。
……美緒…が…協力者候補…?
顔には出さないようにしたが…すごく驚いた。
確かにあいつの実力を考えると
これほど相応しい人材はいないと思うが…
協力者となると、危険なことに巻き込まれる可能性だってある。
美緒にそんなことをさせてもいいのか…?