第14章 謝罪
『私、アメリカにいる頃は結構荒れててね…
わざと薄暗い路地とか歩いて
絡んできた奴ボコボコにして…
自分から喧嘩ふっかけたりもしてた。』
「それは……だめだろ…。」
『うん、…だめだよね…。
でも………気が紛れるならなんでも良かったの。
婆ちゃんはそんな私のことをずっと心配しててね…。
それで紹介されたのが、今のボディガードの仕事なの。』
私の婆ちゃんは、社長の東さんと知り合いで
日本に住んでいた時に仲良くなったと言っていた。
『最初は断ろうと思ったんだけどね。
やること決めてないなら
とりあえずやってみなさいって言われて日本に帰国したの。』
そのままアメリカに残っていても
婆ちゃんに心配かけるだけだったから…
いい機会だったと思う。
社長の東さんも、事務の梢さんも本当に優しくて、
仕事はそんなに危険なことはないし
私のことを詮索したりもしない。
それなりに楽しくやっていて、
あっという間に一年が過ぎた。