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《降谷夢》bonheur {R15}

第13章 過去



「…そんなに死にてぇなら殺してやるよ……。
あの世で俺を馬鹿にしたこと後悔してろ!!」

男はそういうと私目掛けて
ナイフを持ったまま走ってきた。





ああ…

私の人生ここまでかぁ……






そう思って下を見て目を瞑ろうとしたところで
わたしと彼の間に誰かが割り込んできた影が見えた。



パッと正面を見ると



わたしの視界には、
久しぶりに見る尊敬している上司の背中が映った。



『………え……?ま、えだ…さん……?』


見間違えるはずがない。
最近は見てなかったけど、
この頼もしい背中を追いかけて
これまで頑張ってきたんだ。


大臣の息子は驚いて、ナイフを握ったまま後退ると
地面にはたくさんの血がポタポタとこぼれ落ち…


前田さんはそのまま両膝をついて倒れてしまった。


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