第13章 過去
『……一体、なに……を…』
体は倒れ、全身から徐々に力が抜けていくのを感じた。
思うように手足が動かせない…
「ちょーっと麻酔のようなものを、ね?
君みたいな強い女相手じゃ、こうでもしないとこっちがやられるから〜」
…腐ってる………。
こんなことまでして、こいつの頭は本当におかしい…
わたしは必死に体に力を入れ立ちあがろうとするが
なんとか後ずさるだけで精一杯の状態だった。
『こんなことをしてまで女性を自分の思い通りにしたいの?
理解に苦しみます…』
「なんとでも言えばいいよ。
俺は何しても親父の力で問題は揉み消してくれるからね。
今が楽しければなんでもいい。」
バカ息子は私にどんどん近づいてきて
体に触ろうとしてきた。
すると先ほど逮捕した被疑者の女性が
彼の背中を思い切り蹴飛ばしていた。