第13章 過去
1日のスケジュールを全て終えたところで
大臣は夜、他の議員と会食があるらしく
息子とは別行動になった。
わたしは同僚達と別れ
嫌々だけど、バカ息子を自宅へ送り届けることになり
車に乗っている間は
彼はよほど疲れたのか眠っていて車内は静かだった。
いつもはデートの誘いとか連絡先聞いてきたりとか
めっちゃしつこいんだけどね。
『自宅に到着しましたよ。起きて下さい』
大臣の自宅駐車場に着き、
外から後部座席のドアを開けてバカ息子を起こしている最中…
背後から足音が聞こえて振り返ってみると
20代くらいの女性が、こちらにナイフを振り翳してきた。