第10章 発見
『え…なんで…?』
車が停めてあった場所まで戻ると
そこには昨日の夜まで一緒にいた降谷くんが私の車の隣に立っていた。
「こんにちは、美緒さん。
こんなところで何やってるんですか?」
今は安室さんか…
でも…笑っているようで笑ってない…!!
笑顔だけどめちゃくちゃ圧を感じる安室さんだ…
『いや、あの…ちょっとドライブをしてて…
休憩がてら近くのコンビニに…』
「怪我をしてるのにドライブですか?」
…こ、怖い……。
家から出ないように言われてたけど
外に出たの見つかっちゃったから……
これは絶対怒っていらっしゃる……
『は…い……
えっと……もう家に帰るところなんです。
じゃあ私はこれで………失礼しまーす…』
早々に逃げようと思って車に乗り込もうとする…が、
「そういえば僕、車を修理に出してて足がないんですよ。すみませんが美緒さん、一緒に乗って行っても構いませんか?
美緒さんの家からは歩いて帰りますから。」
と、明らかに嘘っぽい嘘をついてきた。
『えーっと、それは…まあ、別に…
構いませんけど…』
「ありがとうございます。
じゃあ、美緒さん怪我してるようなので
運転は僕がしますね!」
『あ……はい。お願いします…』
大人しく助手席に乗り込むと
降谷くんは私のアパートまで車を走らせた。