第10章 発見
車内はずーーっと無言で
嫌な空気に耐えていると私のアパートの駐車場に到着した。
『えーっと……安室さん。
運転してくれてありがとうございました…
じゃあ私はこれで……』
シートベルトを外して助手席を降りようとしたら
「待て」と腕を掴まれ降りるのを阻止された。
「美緒……昨日無茶するなって言ったよな?
それなのにお前は…さっきは一体何してたんだ?」
『言ったでしょ?
ちょっとドライブに……暇だったから…ね……。』
「僕に嘘をつくつもりか?
君に似た人物が帝丹高校の裏口で
不審者を仕留めているのを見ていたんだが…
人違いだったか?」
『っ、人違いだよ。きっと…私知らないもん…』
「…そうか。じゃあさっき110番してきた女性の声と
君の声で声紋認証してみるか。
それとも、その不審者に誰にやられたのか聞いて
君の顔を見せて確認してみてもいいかもな。」
……。
『………ご、ごめんなさい…。私がやりました…。』