第9章 爆弾
私は立ち上がった状態のまま、
降谷くんを見下ろす感じになっているので、
俯いて下を見ている降谷くんの表情は確認できない。
『えっと……ちょっと……キッチンで水、
飲んでくるね…。』
しーん、とした空気に耐えられないので、
背を向けてキッチンに向かおうと思ったが、
それは叶わなかった。
後ろから手を掴まれ、引っ張られ、
降谷くんの隣のソファの上に逆戻り。
「美緒…さっきも言ったが
あんまり煽るなって言っただろ…」
『っ!っな!!
だから!別に煽ってるつもりないんだけど!?』
ようやく喋ったと思ったらまた同じこと言ってるし!!
「お前にそのつもりはなくても、
こっちは煽られてる気分なんだよ。責任はとって貰うからな。」
『…はい?責任ってどうやって…』
「もういい、喋るな。」
『!?』
降谷くんは私の後頭部に手を添えて
ぐっ、と距離を近づけてキスをした。