第9章 爆弾
『あ、そういえば
白鳥くんが病院に運ばれる時
美和子ちゃんに何か渡してたみたいだったけど
あれってもしかして…』
「ああ。それは予告状だ。
警視庁にもFAXで大量に送られてきて
今は捜査員総出で爆弾探し回ってるよ。」
『なるほど。だからパトカーが多いんだね…
あ、次の信号を右に曲がったら止めてね。
すぐにわたしのアパートあるから。』
車が止まったところでシートベルトを外し松田君の方へ身体を向けた。
『ありがとう、送ってくれて。』
「気にするな。ちゃんと休めよ。」
『うん。
あと最後にもう一つ、言いたいことがあるの…』
「??どうした?」
『…降谷くんのこと、
居場所教えてくれてありがと。』
「なんだ、もうあいつに会ったのかよ。随分早いな」
『みんなと飲んだ次の日に行ったよ。
事件解決したら、一緒にポアロ行こうね。』
「お、いいな、それ。
みんなで揶揄いに行くか、ウエイターの安室透。」
『あはは、絶対怒られそう!
…じゃあそろそろ行くね。
松田くん、怪我しないように捜査頑張って。』
「ああ。また連絡する。じゃあな。」
車の扉を閉めると、松田くんの車は去っていった。