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《降谷夢》bonheur {R15}

第75章 幸甚






東京行きの新幹線に乗り込んだ私は
座席に座り、早く東京に着かないかな…と思いながら、窓の外の景色を見ていた。



長野に滞在していた日数は短かったけど
早く零くんの顔が見たくて仕方がない。



東京駅に着いて、新幹線を降りたら、
一度家に帰って、零くんに連絡してみよう…


ポアロで仕事中なら、店まで会いに行こう…


公安の仕事中なら、何時に帰ってくるか聞こう…



外の景色を眺めてはいるけど、
頭の中は零くんのことでいっぱいだ。



どうしても今日中に…



いや、すぐにでも零くんに会いたい…。




結婚して、夫婦になったのにも関わらず
まだ付き合いたての頃みたいな気持ちになる。


零くんが恋しくて仕方がないのは
きっと今回の事件で、私は思っていたよりも
心労が蓄積されているんだろう。



上司だった前田さんのことを思い出して
悲しい気持ちにもなったから…



早く零くんの顔を見て癒されたい…


零くんの温もりを感じたい…




ずっと零くんのことばかりを考えていると
新幹線は漸く東京駅に到着し、私は荷物を持ってホームに出た。





『ふー…、やっと着いた〜』



多くの客がホームから階段に向かい
私もグーっと背伸びをして、人が少なくなったタイミングで改札口に向かおうと歩き出した…


すると…






『っ、!!な……、な、んで……』





…見間違いかと思ったけど
見間違えるはずがないと即座に否定した。




新幹線のホームの先から
愛しい金髪の彼が私の方に向かって歩いて来て…


少しずつ、私との距離も縮まっていく。




驚きと、愛しい人に会えた嬉しさで
ドキドキとうるさい胸の鼓動を感じでいると
彼は優しく微笑みながら、私の目の前にやってきて立ち止まった。





『ど、どうして…ここ、に…?』

「愛する妻を迎えに来たんだよ。
…おかえり、美緒。」

『っっ…』




そう言われた瞬間、
私の瞳から涙がポロポロと溢れ出して来て…



私は人目も気にせず、零くんの胸に飛び込み抱きついた。





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