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《降谷夢》bonheur {R15}

第75章 幸甚




風「えっ…、若山さん!?」

『待ってるだけなんて無理なので
私も一緒に行きます。』

風「なっ…!だめですよ!!
危険な目に遭わせたら降谷さんに…」

『もう危険な目には一度遭いました。
どうせ怒られるんだから、もう手遅れです。』


風「しかし…!」





反論している風見さんの言葉を聞いていると
車の助手席が開き、毛利さんが乗り込んできた。





風「も、毛利さんまで…」

毛「車を出せ。」

風「っ、ですが…」

毛「俺を林のところまで連れて行け。」




…真っ直ぐ真剣な目で風見さんを見つめる毛利さん。




しかしまだ風見さんは
車を出そうかどうか悩んでいる様子だった。





『あの、早くしないと逃げられますよ?
それでもいいんですか?』


風「っ、全く…、人使いの荒い人達ばかりだ…」






漸く諦めた風見さんは、車を発進させ
林が乗っている黄色の移動台車を追いかけてくれた。






『あの巨大な乗り物をどうやって止めます?』

風「車でぶつけて止めるのは
まず無理でしょうね…」


毛「…奴の前方に回り込んでくれ。」

『え…?毛利さん、何か策があるんですか?』

毛「一つだけ手はあります。
美緒さんは、車に乗ったままでいて下さい。」




…いつもと様子が違う毛利さんに
私はただ頷くことしかできなかった。


きっと、友人だった鮫谷警部を殺した林を
自分の手で捕まえたいのだろう。


毛利さんも元警察官だし
私と同じように……大切な人を殺した犯人を
絶対に逃す気がないのだと、雰囲気から察する事ができ
私は黙ったままでいることにした。





すると突然、林が乗っている台車の一部が爆発し
載せられていた、大きなミリ派干渉計が車の前方に落ちて来た。




風「!?しっかり捕まっていて下さい!」

『っ、う、わッ』




車が障害物に当たらないようにハンドルをきったことで、車内は大きく揺れ、体が傾いた。


他の皆の安否が気になって窓から外を見て確認していると、コナンくんが破損したパラボラアンテナの残骸に乗り、スノボのように滑って追いかけて来た。









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