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《降谷夢》bonheur {R15}

第75章 幸甚




毛「彼の戸籍を調べ、養子縁組をしたこと…
そして苗字を大友にしたことが分かったんですよ。」

舟「…!!お前が……ッ!!
こんな近くに…!よくもノコノコと!!」






舟久保さんは大友さんに勢い良く近づき
胸ぐらを掴んで襟首を締め上げたことによって
大友さんは苦しそうな声を上げ
美和子ちゃんと高木くんが止めに入っていた。




そんな彼らの様子を見ながら

大友さんの執行猶予が終わった後
姿を消して、舟久保 真希さんの墓がある山に戻って来たことを毛利さんが話していた。





大「執行猶予…。
私がそんな判決を受けたせいで、真希さんは…っ…。
居ても立っても居られなかった…。
彼女の親に詫びなきゃならないと思った…、
だが、その勇気がなかった…。」


『…それで、せめて真希さんの墓前で詫びようと
白いザゼンソウを供えていたんですね。』


毛「顔と名前を変え、他の人と会わないよう
命日よりも早く…」





どうやら全てその通りだったようで
大友さんは苦しそうな表情で俯きながら

ギリギリと怒りを露わにし苦しんでいる舟久保さんに目を向けていた。






コ「炭焼き小屋の名前…、
ブッパってつけたのも、理由があるんだよね?」

大「…私の、あだ名です……
御厨と私しか知らない…あだ名です。」





…なるほど。

だから御厨はこの山に大友さんが…

鷲頭がいると気付いてこの山で待っていたんだ……



…御厨に自分を殺させるために。




そして、そんな御厨を大和警部が見つけ
雪崩に遭ったんだ。





大「10ヶ月前…、
真希さんのお墓で手を合わせていた時
雪崩の音が聞こえて来て…、死を覚悟しましたが
私のいる場所に、雪は流れて来ませんでした…」



『10ヶ月前って……、!!じゃあ、まさか…』

上「敢ちゃんを助けたのって…」





大友さんだったんだ…。





でも、彼がいくら人助けをしたからと言って
犯した過去の罪が消えるわけじゃない…




大友さん自身も、それを分かっているようだった。


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