第74章 残像
『あれ…?コナンくんと上原刑事は?』
光「ビニール袋をもらいに行きました!」
『袋…?』
大「この小僧の歯に
犯人が着用していた手袋の一部が挟まっててな。」
詳しく話を聞くと
元太くんが犯人の手に噛み付いた際
着用していた手袋が破れ、欠片が挟まっていたとのこと。
…確かに警察の鑑定に出せば
持ち主がわかるかもしれない。
『お手柄だね、元太くん。』
元「おう!」
大「そんじゃ、お前らはそろそろ休め。
俺は起きてるから安心して寝ろ。」
…大和警部、見かけによらず優しいな。
見た目は無精髭生やしてて厳ついけど
警察官である為か、言い方はぶっきらぼうだけど、人を気遣う優しい心を持っている…
…なんだかちょっと、松田くんに似てるなぁ。
大和警部の優しさを感じていると
みんなは疲れが溜まっていたのか、座った状態のまま
すぐに目を閉じて眠りについていた。
…そしてその後すぐに、
上原刑事とコナンくんが小屋に戻ってきた。
『おかえりなさい。』
コ「美緒さん、電話はもう終わったの?」
『うん、コナンくんもみんなと一緒に
早く寝た方がいいよ?』
コ「…でもその前に
話しておきたい事があるんだ。」
『??』
コナンくんの話を聞くと
この小屋の主人である大友さんの左前腕部と
右脇に痣があったそうで…
本人は炭にする木を伐採した時についたと言っていたそうだが、そんなところに痣ができる理由はきっと…
『二つの痣は両方とも
ライフルを扱う人に出来る特徴的なものだね。』
コ「うん。でもどうして大友さんは
そう言わなかったのかなぁ?」
上「そうね…、何か言えない事情があるのかもね。
もしあの人が私達を襲った犯人なら
この小屋に避難した時に殺されてるはずだし。」
…上原刑事の言う通り、
ここの小屋は狭いから逃げ場なんてないし
大和警部を殺害する絶好の機会を逃すなんて
私が犯人ならそんなことしない。