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《降谷夢》bonheur {R15}

第74章 残像




「それとも、犯人は美緒より
武術に長けている可能性も…
『そんな事ないから!!
何発かは喰らわしたもん!!
ただ急所には入らなかっただけで!!』

…あははっ」


『!?何笑ってんの!?』


「いや、犯人取り逃がしたから
落ち込んでるのかなと思ってな?
でも全然そんな事なくて安心したよ。」




…だったらそう聞けばいいのに!!

なんでそんな回りくどい確認してるの!?

普通に慰めてくれればいいじゃん!!





…あまりにも捻くれた言葉ばかりを浴びせられ
ムッとし続けている私を、零くんはしばらく電話口の向こうでクスクスと笑い続けていた。






「ほんと、美緒はすぐムキになって…
凄く可愛いな。」

『なっ!?何言ってんの!?可愛くないし!!』

「今すぐ抱き締めたくなるくらい可愛いよ。」

『〜〜〜ッ、もう!!零くんのばか!!』

「はははっ」





私が怒っているというのに
零くんは全く気にせず超上機嫌…。





私を揶揄う零くんに少しムカついたけど…

普段通りの会話を出来たおかげで
心がかなりリラックスした。






『くしゅんッ…』

「美緒、寒いのか?」

『あー…今外で電話してるから…』

「ばか、風邪を引いたらどうするんだ。
そろそろ電話切るから戻って体温めないと。」

『だって…、零くんと話すの…
好き、なんだもん…。』

「っっ、」


『声聞くだけで落ち着くし安心するし…
寒さなんか気にならないよ。』


「…馬鹿美緒、
そんなこと言われたら………」

『??なに…?』

「いや…何でもない。
今は夜だし、そっちは氷点下だろ?
暖かいところで早く休んだ方がいいよ。」


『そうだね…、そうする。』

「じゃあまたな?
事件のことで気になる事があったら
風見のことをこき使ってやれ。」


『ふふっ、うん。わかった。』






…零くんとの電話はそこで終わり
私は炭焼き小屋の中へと戻った。



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