第74章 残像
大「まぁ、山で炭焼き小屋を経営してるんだから
狩猟が趣味でライフルを扱うって線もありえるがな。」
上「確かにそうかもしれないけど…」
大「そこに置いてある音響装置も
銃じゃねぇとは言ってたが…」
上「まさか銃だと思ってる?」
『…あの、2人にお聞きしたいことがあるんですが。』
大和警部と上原警部の会話に割り込んだ私は
先程零くんと電話で話したことを聞いてみることにした。
『この音響装置みたいに
通常とは型が違う銃とか、見たこともない弾倉とか…
そういうのを見たことってありませんか?』
大「そういやぁ…数年前にあったな…
長野と山梨の県境の国道で、珍しい銃ばかりが
いくつか押収されたことがな。」
『!!それって、どんな銃だったんですか?』
大「連射スピードが速いオートマや
ライフルのマガジンが使えるピストルとか…
県境で検問を実施した時、車のトランクに積まれていたのを偶然発見したんだ。」
『そうだったんですね…』
…やはり零くんの言っていた通り
世の中には通常とは変わった銃が存在してるんだ。
視野の広い考えを持った零くんをさすがだと思い
笑みを溢している私を、3人は不思議がりながら見ていた。
『それで…、その押収された銃は?
確か保管期限があるはずですよね?』
上「えぇ、もうすでに期限は過ぎていて
処分されているはずです。」
…でもきっと
確実に処分された証拠なんて残っていないはず。
残っていたとしても、恐らく書面だけで
そんなものはいくらだって偽造できるだろう。
…そして、そんなことを出来る人間も限られてくる。
『うーん…』
コ「美緒さんどうしたの?
なにか気になることでもあった?」
『いや…、ただの憶測だからまだ何とも…』
大「とにかく、アンタらも少し寝とけ。
明朝には下山出来るはずだからよ。」
…確かに大和警部の言う通りにした方がいいかも。
事件の事を考え過ぎて頭が疲れてきたし
慣れない雪で体に疲労も感じている…
私とコナンくんは
言われた通りに仮眠を取る事にした。
私は目を瞑りながら
今も山中を捜索しているみんなが無事であるようにと…
ひたすらそう祈りつつ、眠りについた。