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《降谷夢》bonheur {R15}

第74章 残像




家に帰ってくる頻度も低い理由が
他の女性とデートしてるとか…



…うん、やっぱりあり得ない。



哀ちゃんって普段から大人びてるけど
大人の恋愛の考え方が子供とは思えないなぁ。






『あの人なら本当に大丈夫だよ。
確かに女性にはよくモテてるけど
私の事を裏切ったりする人じゃないから。』


哀「あら、そう。
随分あの人のことを信用してるのね?」




…まぁ、一応夫婦ですから。




零くんのことは
いつでも、どんな時でも信じてる…



私には勿体無いくらいのいい旦那さんで

大事にしないと罰が当たりそうだし
零くんはいつも私のことを大切に思ってくれて…




『…。あ〜…、もー…』





…零くんの事ばっかり考えてたら
声だけでも聞きたくなってきちゃったじゃない…。




スマホ片手に唸っていると
蘭ちゃんが背後から私の両肩に手を乗せ
優しく体を押し始めた。






蘭「私たちはここで食べてますから
美緒さんはゆっくり電話してきて下さい!」


『うぅ…』





零くんの声が聞きたい気持ちを抑えられなくなった私は、みんなから少し離れたコテージの壁際へと移動し
すぐに零くんの電話番号を打ち込み、スマホを耳に当てた。





プルルル…プルルル…




「美緒?どうした?」




…数回のコールで電話に応答してくれた零くん。




いつも通りの落ち着いたトーンで
聞き慣れている声のはずなのに、


耳に響く零くんの声が心地良くて
無意識に自分の口元が緩んだ。





『急に電話してごめんね。今大丈夫…?』

「大丈夫。愛する妻からの電話で、すごく嬉しいよ。」

『…。』





…あまりにもキザすぎる言葉に
普段の私ならトキめくけど…



なんだか遠回しに、「やっと連絡してきたな」って言われている気分になった。






『あの…黙って長野に来ちゃって…ごめん…』


「…それを言うために電話してきたのか?」


『謝りたかったのもあるけど…、
私の愛しい旦那さんの声をね、凄く聞きたくなっちゃったの。』


「っ、え…?」






…まさか私からそんな事を言われるとは思っていなかったのか、電話口の零くんは、動揺しているようで、言葉を詰まらせていた。




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