第73章 隻眼
コナンくんは毛利さん達と県警に行くことが決まり
越智さんと阿笠博士は車の中に戻ってきた。
『あの、少しだけ待っててもらえませんか?
顔見知りの警察の方達に、挨拶をしたいのですが…』
越「構いませんが…、お知り合いの方なんですか?」
『えぇ、ちょっと…。手短に済ませますので…』
越智さんの了承を得た私は、車から降り
私に視線を向けている人達全員に頭を下げた。
『皆さん、コナンくんの事、よろしくお願いします。』
由「あら…?あなた確か…」
敢「前に長野の廃教会で…」
高「お久しぶりですね、若山さん。
まさかあなたも長野に来ていたとは。」
『訳あって子供達と同行させてもらってるんです。
…諸伏警部、少しお話ししたい事があるんですが、』
高「私に話、ですか…。それは光栄ですね。」
…なんで光栄とか言っちゃってんのか分からないけど、私は諸伏警部と2人で、みんなから少し離れた場所に移動した。
『忙しいのにお時間頂いてしまってすみません…』
高「いえ、私も貴方に聞きたい事があったので。
…なぜ、若山さんは長野に来たんですか?
ただ子供達と旅行に来た、という訳ではありませんよね?」
『…。友人から、依頼されたんです。』
高「それは…どのような依頼か伺っても?」
『あなたを…守って欲しい、と。』
高「!!…景光、ですね。」
『今回の事件のこと…、彼は凄く心配してました。
鮫谷警部のような犠牲者を2度と出さない…
私はそのために来たんです、ボディーガードとして。』
高「なるほど。
一般企業の警護会社の職員が殺人事件に関与することに多少の疑問はありますが…それは突っ込まないでおきましょう。」
…やっぱり賢いな、この人。
諸伏くんからの依頼で来たのは本当だけど
まるで私が公安の協力者として来たことを
見抜いているような口振りだ。