第73章 隻眼
「ゼロには俺から話せたら話すよ。
美緒ちゃんにばかり負担かけて…本当にごめんね?」
『ううん、諸伏くんは悪くないから気にしないで?
…じゃあ、そろそろ行くね。』
「うん…、気をつけて。」
…正直、長野に行ったら何が起こるかわからない。
危険な事が起こるかもしれないってことも、重々承知してる…。
それでも絶対に
鮫谷警部のような犠牲者はこれ以上出さない…
必ず私の力で、周りの人達を守ってみせる。
そして堂々と、零くんの元に帰る…。
お説教をされるかもしれないのは憂鬱だけど
私を信じて送り出してくれた諸伏くんや
捜査状況を包み隠さず話してくれた風見さんの為にも…
『…よし、今回も精一杯頑張ろう。』
自分自身に喝をいれた私は
コナンくんと蘭ちゃんが待っているホームに向かい
長野行きの新幹線へ乗り込んだ。