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《降谷夢》bonheur {R15}

第73章 隻眼




『…諸伏くん。』

「美緒ちゃんなら気付いてくれると思ったよ。ごめんね、急いでる時に…」

『ううん、別にいいんだけど…、どうしてここに?』

「美緒ちゃんに…どうしても頼みたいことがあるんだ。」


『頼み??』





…諸伏くんが直接私に何かを頼むなんて珍しい。



それに、人目につかない方がいい立場のはずなのに
わざわざ頼みにくるなんて…。






「兄さんを…守って欲しいんだ。」

『え…、兄さんって確か…』

「長野県警にいる俺の兄さんだよ。
美緒ちゃんも会ったことあるよね?」

『うん。何度か事件現場でお会いしたけど…』


「実を言うと、風見に美緒ちゃんを協力者として動いてもらうように頼んだのは俺なんだ。
美緒ちゃんなら……兄さんの力になってくれるだろうからね。」


『じゃあ…、あの雪崩事故で不審人物を見たのって
諸伏くんのお兄さんだったの?』



「いや、それは違うんだけど
兄さんはその人と幼馴染だから、きっと今回の事件の捜査もその人と一緒に行動してるはずだ。
…だから、何か危険な目に遭うんじゃないかって…、少し心配でね…」





…なんと美しい兄弟愛。




長野にいる諸伏警部もそうだったけど
2人ともお互いの事をすごく大事に思ってるんだね…。





『うん、分かった。お兄さんの事は私に任せて?』

「っ、ありがとう、美緒ちゃん。」

『あと、さ…。
零くんは私が動いてること…知ってる?』

「あー…、ごめん。言ったら絶対反対されると思ったから、ゼロには話してないんだ。」





…はは、じゃあ事件が解決して東京に戻ってきたら
また地獄のような説教タイムが待ってるのか。



黙って長野に向かうことも絶対怒られそうだから
今回はできるだけ無傷で帰れるように頑張ろう…。






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