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《降谷夢》bonheur {R15}

第73章 隻眼






長野行きが急遽決まった私は
零くんと暮らしているマンションに戻ってきて
簡単に荷物をまとめ、またすぐ家を出た。




最近の零くんは…


…いや、いつも通り忙しい零くんは
家に帰ってくる頻度が新婚の時に比べたら減っている。



風見さんから聞いた事件のことがあるし
きっと公安の仕事で忙しいんだろう。


部下の人達にたくさん指示を出さないといけないし…




…っていうか、零くんは私が協力者として動くこと知ってるのかな?




一度連絡しようか考えたけど
もし忙しくしてたら仕事の邪魔しちゃうし…。





…悩んだ末、私は零くんに置き手紙を残し、マンションを出て東京駅に向かった。






[長野に行ってきます。]






たったこれだけの手紙だけど
零くんならきっと、私が長野に行く理由なんて
簡単に想像できるだろう。




…本当は顔を見てから行きたかったけど
今回は急いでいるから仕方ない。




何となく寂しい気持ちを抱えたまま
バスと電車を乗り継ぎ、東京駅に到着した私は
蘭ちゃんとコナンくんとの待ち合わせ場所に向かった。






コ「あっ、美緒さーん!こっちだよ〜!!」





すでに2人は到着していて
東京より寒い長野県に行くから
私と同じように厚着の防寒具を羽織っている服装に変わっていた。






『ごめんね、待たせちゃったかな?』

蘭「いえ!私達も着いたばかりですから。
電車の時間は調べておいたので、早速行きましょ?」


『ありがとー、助かるよ。』





3人で東京駅の中へ移動し
乗り場に通じる改札口へ向かった。



切符を買い、改札口の中に入ろうとしたところで
強い視線を感じ、私は切符を通す前に足を止めた。




『…??…あ。』

コ「美緒さん?どうしたの?」

『…ごめん、私ちょっとトイレに行ってくるね。』

蘭「え?電車の時間もうすぐですけど…」

『急いで行ってくるから
2人は先にホームに行ってて?』




何とか2人を先に行かせることに成功した私は
柱の影に隠れている、視線の主である人物の元へ小走りで向かった。






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